1次試験は「7科目・2日間・マークシート」

中小企業診断士の第1次試験は毎年8月上旬の土日2日間で行われ、7科目すべてが多肢選択式(マークシート)です。 各科目100点満点で、試験時間は60分の科目と90分の科目があります。 試験を実施するのは、経済産業大臣指定試験機関である一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会です。

日程 科目 試験時間
1日目午前 経済学・経済政策 60分
1日目午前 財務・会計 60分
1日目午後 企業経営理論 90分
1日目午後 運営管理(オペレーション・マネジメント) 90分
2日目午前 経営法務 60分
2日目午前 経営情報システム 60分
2日目午後 中小企業経営・中小企業政策 90分

令和8年度は8月1日(土)・2日(日)に実施され、合格発表は9月1日でした。 申込はインターネットのみで、受験手数料は第1次試験が17,200円(別途オンライン決済事務手数料590円)です。 試験地は札幌・仙台・東京・名古屋・金沢・大阪・広島・松山・福岡・那覇の10地区です。

令和8年度からの2つの改正点

規則改正(令和7年6月25日公布、令和8年4月1日施行)により、令和8年度から次の2点が変わりました。

  • 第2次試験の口述試験が廃止され、2次は筆記のみになりました。古い書籍やサイトには「筆記合格後に口述がある」と書かれているので注意してください。
  • 受験手数料が改定され、1次が14,500円から17,200円へ、2次が17,800円から15,100円へ。総額32,300円は変わりません。

合格基準は「総点60%」と「科目40%」の二段構え

合格基準は、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がないことです。 つまり700点満点なら420点以上が必要で、さらにどの科目も40点を割ってはいけません。

この「40点の足切り」が戦略の中心になります。得意科目で80点を取っても、苦手科目が39点なら不合格です。 逆に言えば、全科目で60点前後を確保する「平均点型」の学習が最も合格に近い設計です。

科目合格制度で複数年計画が立てられる

科目ごとに60%以上を取ると「科目合格」となり、翌年度・翌々年度の2年間はその科目の受験を免除できます(免除には落とし穴があるので、複数年計画を組む前に確認してください)。 働きながら学習する受験者の多くはこの制度を使い、たとえば

  1. 1年目: 暗記科目(法務・情報・中小)+運営管理を仕上げて科目合格
  2. 2年目: 理解科目(経済・財務・企業経営理論)に集中して総合合格

のような2年計画を組みます。ただし免除申請した科目は総点の計算から外れるため、残り科目だけで60%を確保する必要がある点に注意してください。

科目ごとの性格と優先順位

科目 性格 攻め方
経済学・経済政策 理解型・グラフ IS-LM・AD-AS・余剰分析のグラフを自分で描けるまで反復
財務・会計 計算型 経営分析・CVP・NPVの計算を毎日1問。2次試験にも直結
企業経営理論 読解型 戦略論・組織論・マーケティングの理論名と提唱者をセットで暗記
運営管理 計算+暗記 生産管理の用語と店舗・販売の法規。EOQ・PERTは得点源
経営法務 暗記型 会社法の機関設計と知財4法の比較表を作る
経営情報システム 暗記型 IT用語は横断的に。稼働率・EVMの計算は確実に
中小企業経営・政策 暗記型 中小企業基本法の定義と各支援制度、白書の傾向

2次試験との関連が深い財務・会計、企業経営理論、運営管理は「1次で終わらない科目」なので、 暗記で乗り切らず理解を伴った学習を心がけると後で楽になります。

独学の標準スケジュール(1年計画・1日2時間)

  • 9〜12月: 理解科目(経済・財務・企業経営理論)のテキスト1周+基本問題
  • 1〜3月: 運営管理・経営法務・情報システムのテキスト1周
  • 4〜5月: 中小企業経営・政策(最新の中小企業白書と施策に合わせる。早く始めすぎると情報が古くなる)
  • 6〜7月: 全科目の過去問演習(年度別に通し)と苦手分野の潰し込み
  • 直前2週間: 模試形式で時間配分の練習。足切り科目を作らないことを最優先に (直前1ヶ月の配分の決め方は別記事にまとめています)

このアプリでは科目別演習に加え、70問(7科目)の模試で「総点60%・科目40%」の合否判定を体験できます。 足切りになりやすい科目を早期に見つけ、平均点型の得点構成を作りましょう。